仮想空間でボイスチャットする利点
上の動画は先日の Ustream ライブ配信の最後の方を切り取ったものです。録画は 45分間くらいあったので長すぎて最後の方まで観ていない人もいるかと思いますが、アバターを介したコミュニケーションの利点について解説しています。
Second Life のボイスチャットはアバターを介しているとはいえ、目の前にいるのは生身の人間ではないので音声のみで電話をしているのと変わらないと考える人もいるかもしれませんが、それだけではない利点があるというお話です。
例えば上の動画も良い実例になっています。画面内には二人の人物のアバターが映っていますが、どちらの人物がしゃべっているのかはすぐにわかると思います。そのように視覚的に認識することで自然と話者に意識を集中していると思います。
試しに動画の画面の左半分を別のウィンドウなどを使って隠して再生してみてください。右側には白衣の女性が座っていますが、しゃべっているようには見えません。その状態で話を聞いていると、あまり集中できていないはずです。なんとなく意識が散漫になって他のことをし始めてしまったり、眠くなってきたりしませんか。内容も良く覚えていなかったりします。
Second Life のアバターの動きは生身の人間のような顔の表情まで正確に伝わらなくても、「しゃべっている」ということを視覚的に伝えるには十分な機能を備えています。これは音声のみの電話にはできないことです。
通信による情報伝達という観点では音声のみの電話もアバターを介したボイスチャットも情報量に違いはありません。「今日は晴れです」と言えば、どちらも同じ意味でしか伝わりませんからね。違いは「意識の集中の度合い」にあるといえます。
電話で「今日は晴れです」と聞いた時には、なんとなく「天気の話をしているな」という感じで聞き流してしまうかもしれません。長電話をした後に何を話したか全然覚えていないなんてことはよくあるかと思います。
アバターを介して「今日は晴れです」と聴いた時には「昨日や明日ではなく『今日』の天気の話で、雨や曇りではなくて『晴れ』である」と意識的に認識しやすくなると思います。学校や塾で講師の話を聴くときのような感じですね。学校の授業なんて眠いだけだなんていう人もいるかと思いますが、そういう時はたいてい相手の顔を見ていないと思います。相手の顔を見ていると自然と意識は集中して眠くなることもなくなります。
世にある多くの仮想空間の中でもボイスチャットに連動したリップシンクやスピーチジェスチャーの機能があるのは Second Life くらいだと思います。コミュニケーションの手段としては非常に優れたツールだと思うので、もっと多くの人に活用してもらいたいですね。